今月の言葉2010年 バックナンバー
今月の言葉(6月)「経営者(リーダー)の条件」
潰れる会社のほとんどが、経営者がダメな会社であります。①数字がでたらめ、②商品やサービスに特徴や独自性(とんがり)がない、③明確なビジョンや方針がない、
④経営者に信念や理念がない(あるいは薄い)、⑤常に経営者と社員が対立している、⑥お金にルーズ(公私混同)、⑦経営者が怠け者、⑧経営者に倫理観がない、⑨革新的風土がない、⑩有能なブレインや後継者がいない、などです。
一言でいえば、「信」がないということでしょうか。「信」はまことという意味で、人と言から成り、人の言葉がまことの心と一致することです。その信と者が合体して「儲」かるという字になります。社員から信頼がない、顧客からの信頼がない、世間からの信頼がないということは、信者がいない、すなわち儲からないということです。結局は潰れていく運命にあるのです。反対に、社員から信頼され、顧客から信頼され、世間から信頼されれば、信者がどんどん増え、商売繁盛となるのです。一人ひとりの人間でもまったく同じことです。
江戸時代の商人は、信用を重んじ、一筋に本業に徹して事業の存続を図ってきました。例えば、住友家においては、信用暖簾、浮利否定、自利利他、人間尊重を事業精神とし、また三井家では、才覚(商才)、算用(財務)、始末(節約)をその根本精神に据え、また大丸は、先義後利(義を先にし、利を後にする者は栄えるという意味)を経営理念にして事業を展開してきました。その基において、創業者はもとより代々の事業継承者が、商売は本質的に社会的なものであり、人と人とのかかわりあいの中で成り立っているものであって、「信」なくして商売は成り立たないものであることを知っていたのです。
孔子の言葉に、「信なくんば立たず」があります。この言葉は政治の要諦としてよく使われるものですが、企業経営の世界においても全く同じで、社員や顧客(社会)の信頼が得られなければ経営は成り立たないということです。「信」は、嘘をつかない、約束を守る、法律や規則を守る、決めたことは実行するなど言行一致がその根本で、己を自ら統御して「信」を実践することが大切です。組織のリーダー(経営者)は、この言葉を肝に命じて慎重に経営を行ないたいものです。
(文責:高良明)
今月の言葉(5月)「ここに生ききる」
私は昨年税理士法人 創新會計に入社して、あっという間に1年が経ちました。実社会のことは何も分からない私にとって、仕事に取り組む姿勢や会計実務などさまざまな経験は、自己成長のよい糧となっています。
創新グループでは、毎日経営理念を唱和していますが、その中に「ここに生ききる」という言葉があります。この言葉を自分なりに復唱した際、サッカーをしていた幼少の頃を思い出しました。当初からフィールドプレイヤーとして試合に出ていましたが、ある時監督に呼ばれ、ゴールキーパーをやるように言われました。少々不満でしたが、指示に従いゴールキーパーをやるにしたがって、徐々に腕を挙げ、チームを勝利に導くことができるようになりました。ところが神奈川県足柄上郡の大会で、慣れと油断が災いしたのか、イージーなキャッチミスをしてしまい、それが致命傷となって、0対1の最小失点差で負けてしまいました。チームメイトの顔をまともに見ることが出来ないほどショックで、辛い思い出でした。
子どもながら「油断大敵」ということを学び、一点に集中してやることの大切さを感じ取ったのです。その後は気持ちを集中させ、パスやキャッチなどサッカーの基本を一所懸命練習し、チームメイトからも信用されるようになりました。自分自身がサッカー選手になりきってプレイすることがいかに大切か、子どもながらの貴重な体験でした。
社会人になった今日においても同様に、「仕事と一体となる」「顧客と一体となる」すなわち「仕事になりきる」「顧客になりきる」ことがミスを防止し、顧客に喜んでいただき、仲間や上司、顧客の信頼を得る道であると思います。実社会では、難問・課題が山積していますが、未熟な私にとって唯一できることは、一点に集中努力して「ここに生ききる」ことだと確信しています。
(文責:森戸 将登)
今月の言葉(4月)「顧客密着と自己成長」
「私たちが“顧客のために”と考えるときはたいてい、自分の経験をもとに、“お客とはこういうものだ”“こうあるべきだ”という決めつけをしています。だから、やってみてうまくいかないと、“こんなに努力しているのにお客はわかってくれない”と、とたんに顧客を責め始める。
これは努力の押し売りにすぎません。~中略~ 今の時代に本当に必要なのは“顧客のために”ではなく“顧客の立場”で考えることです。
どちらも顧客のことを考えているように見えて、決定的な違いがあります。」と、セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長は、多様化する顧客ニーズに対応すべく社員に語っています。
私たちは無意識に“顧客は素人、自分たちは玄人”という隔たりを持ち自分都合で判断しがちです。これは顧客の気持ちやニーズを無視した大変危険なことです。
「自分が顧客だったら何を求めるのか?」といった仮説を立て、自分が顧客に転換密着し“主客一体”となるということが必要であると考えます。仮説を検証するにはいくつかの方法がありますが、最も的確なのは「お客様に聞く」ことです。
例えば、私たち創新グループのお客様の多くは中小企業ですが、その事業内容・業界の動向・TOPの考え・業績の状況等を踏まえ、今一番の関心事は何か?困っている事は何か?というように仮説を立てる。
実はその答えはお客様が持っています。お客様の基本的なデータを把握し、仮説を練り上げ、お客様のニーズを熱誠関与で捉えそれを満たす。
この繰り返しがお客様との密着性を高め顧客満足へと繋がって行くわけです。
また、お客様との密着度を増すためのセールスの定量的な指標として“接触頻度×滞在時間”という算式があります。お客様との「接触頻度」を上げようとすれば、必要な情報や話題を集めたり、課題を頂いたりしなければなりません。また「滞在時間」を増やそうとするならば、お客様の現状をきちんと認識し先見性のある効果的なアドバイスをしたり、俯瞰的な見方・考え方でお客様に気づきを与えたりすることが必要です。
しかもこれらの活動によって私たちの能力が向上し自己成長の源泉となるのです。
顧客のニーズを満たすことは企業存続には必要不可欠なことです。もしかしたら、売り手と買い手、供給側と需要側という論理を越えて、商品やサービス、事業そのものを一緒になって作って行くという潜在的なニーズがあるのかも知れません。お客様は決して遠くにいるわけではありませんから、より密着し、真のニーズに応え主客一体となって成長して行きたいと思います。
(文責:斉藤貴之)
今月の言葉(3月)「サ-ビスの承継」
事業を行っている人にとって、サ-ビスは欠かせない経営要件です。たとえ扱っている商品が優れていても、商品説明が不充分であったり、担当者のマナ-が悪かったり、アフターサービスが悪かったりすれば、二度とその会社から商品を購入することはないといっても過言ではありません。それほどサ-ビスの優劣は、消費者の心理に大きなインパクトを与えているものです。
サ-ビスというのは、単なる商品価格の値引きやお客様の便宜を図ったりすることだけでなく、もともと奉仕の意味で、相手に尽くすという貢献を意味しております。したがって、お客様の本当に求めているものや期待しているものを提供できなければ、真のサ-ビスをしているとはいえません。サ-ビスを受ける側の意を汲んで、その方向性に向かったサ-ビスでなければ価値はありません。
サ-ビスをマネジメントしていくためには、お客様に接する基本動作の徹底は当然ながら、まずお客様の望むもの、必要と感じているもの、期待しているものをしっかりつかむことが必要です。そのためにはお客様の思いやニ-ズを「よく聞く」ことから始めなければなりません。その上で、自分達がなしうる最大の行動をしていくことが求められ、またお客様の思いやニ-ズに「ノ-と言わない」風土を創ることも大切です。要は「出来る、出来ない」の発想の世界ではなく、「お客様の意向に沿うために」という意識と行動が大切ではないでしょうか。お客様が企業にとって大切な資産となるかどうかは、お客様の経営に対する思いをどれだけ自社の人々が熱い気持ちで応援できるか、に掛かっています。そのためには、一担当者の問題だけではなく、会社全員がそのお客様をあたたかい目で応援し続ける心が必要だと思います。
私事ですが、来年満60歳になり、定年退職を迎えます。この一年間で、次の担当者へ仕事の引き継ぎをしながら「サービスの承継」をしていくことになります。「お客様の意向に沿うために」という思いと意識をもちつづけ、熱意のこもった活動をしてお客様に安心して頂くよう努力してまいります。承継後、お客様より「宜しくお願いしますね」と、新しい担当者にあたたかいお言葉を頂くことを願って・・・・・・
(文責:藤本洋子)
今月の言葉(2月)「マーケティング思考をとり入れて」
サブプライム問題に端を発した世界同時不況で、日本は100年に一度といわれる大不況を経験しています。今後の日本の経済成長率は、少子高齢化、環境重視社会の到来等、様々な要因から限りなくゼロになると予測されています。
最近の日本経済新聞「中小企業経営者調査」では、景気が「悪化している」と回答した中小企業経営者は38%になり、「拡大している」という回答の24%を上回りました。大手企業経営者を対象に実施したアンケートでは、逆に「悪化している」と回答した経営者は17%にとどまっており、大手企業と中小企業の収益力格差が広がっていることがうかがえます。
大量生産時代も終焉し、右肩上がりの成長戦略は望めない時代となった今日、どのようなマーケティング戦略を打ち出したらよいのでしょうか?
本来、マーケティングとは「顧客が真に求める商品やサービスを創り、その情報を届け、顧客がその商品を効果的に得られるようにする活動」と言われますが、現在の厳しい経済状況やマーケティング環境の変化を鑑みると、自社のビジネスが5年先、10年先どうなっていくのかを真剣に考え想定してみることが大切です。
そのためには、具体的かつ一貫した戦略と戦術を導き出す思考力と発想力が必要であります。自分の「考え方」のパターンを知って、効果的なアプローチの方法やスキルを身につければ、思考力や発想力がさらに高まるものと信じます。このように「考え方」の幅を広げ、質を高めることが、マーケティング思考力を高めることに繋がってきます。
経営コンサルタントの佐藤義典氏による、マーケティング戦略思考フレームワーク(BASiCS)では、次の5つの具体的要素を活用した思考方法を提唱しています。
ポイントは5要素の一貫性です。
1.戦場・競合(Battlefield)戦場・市場を選び、勝てる市場で戦え!
自社にとって戦いやすい場はどこですか?
2.独自資源(Asset)他者にマネできない資源を蓄積せよ!
自社の独自な資源は何ですか?
3.強み・差別化(Strength)強みのある優れた商品・サービスを売れ!
自社は強みのある差別化された商品を創っていますか?
4.顧客(Customer)ターゲットの視点を持ち、顧客の気持ちになれ!
自社の顧客のニーズに応えていますか?
5.メッセージ(Selling message)わかりやすい、魅力的な売り方・売り文句を創れ!
自社の売り方・伝え方の合言葉はなんですか?
是非、自社にあてはめて活用してみて下さい。
(文責:石浦一喜)
今月の言葉(1月)「人間質を最大限に高める」
あけましておめでとうございます。早いもので、21世紀がスタートして10年(1世紀の10分の1)となりました。この最初の10年間は、企業経営にとって大変厳しい環境であり、淘汰組を選択せざるをえなかった企業(法人)が30万社以上にもなっています。今世紀の企業経営は、いわば存続か淘汰かの二者択一といえます。
日本は、これからもさらに厳しい状況が続くと予測されますが、今の不況状態が下記のように「普況(普通の状況)」であると捉えた方がよいと思われます。
・時流の変化の早さ ・グローバル企業との闘い ・地球環境対応の難しさ
・少子高齢化社会、成熟化社会 ・人々の価値の多様化と変化の早さ
・40兆円以上の需給ギャップ ・技術革新の早さ ・・・
益々厳しくなる時流環境の中で、生き残る強い企業をつくる一番大切な原点は、全社あげて“一人一人の人間質を最大限に高める”ことです。しかし、人間の質を高めるには一朝一夕には難しく、簡単にはできません。不断の教育が必要です。人間質を高める真の教育のポイントは協育にあり、次の「三つの力がプラス」して人は育つのです。
◎一つ目の力は“上司の育てようという力”
上司が愛情(仏の心)と厳しさ(鬼の手)で心からこの部下を育てようという力
◎二つ目の力は“部下の育とうという力”
何としても立派に成長しようという部下の育とうという力
◎三つ目の力は育む(はぐく)環境の力”
上司の力と部下の力に合わせて、育つための環境、教育制度、教育の仕組み等、
育む環境の力
この三つの力がプラス(協)されて一つになった時、人は大きく育ちます。一つでも力が弱まると、人はなかなか育ちません。
ツバメが毎年、弊社ビルの軒下に巣を作り、ヒナを育てています。親の育てようという力、ヒナの育とうという力、巣という環境の力が一つとなり、昨年の夏も5羽が立派に育ち、今や南の国で元気に成長し続けていると思います。この繰り返しが存続です。
一人一人、全員の人間質を最大限に高めない限り、企業存続は難しいのです。
企業は人なり!!存続は人間質なり!!
昨日より今日、今日より明日と、人間質を高めましょう!!
(文責:高良 高)