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モンパリ税務会計通信

11月号 フランスからお金持ちが出ていくわけ(その2)
Bonjour! こんにちは。モンパリの Miyoです。
前回、フランスのお金持ちが国外へ出て行く理由について少しご紹介しました。
それは、フランスの税金が高いこと、特に個人所得税の税率が高いということです。
そしてもう一つ、フランスには「富裕税」というものが存在し、これもお金持ちがフランスから出て行く要因となっています。

「富裕税」は資産税のことで、個人が保有する資産額について課せられる税金のことです。と言っても、課税の対象になるのは(毎年1月1日時点の)課税資産額が130万ユーロ(約1億7,400万円)を超える場合です。
「富裕税」と言われているのはこのためです。
(フランス語ではISF (l'impôt de solidarité sur la fortune)と言います)。

資産税は、所得税や法人税のようにフローではなく、資産、つまりストックの価値に対して課税されるものです。

以前ヨーロッパでは多くの国でこの資産税が採用されていたそうですが、今ではほとんどの国で廃止され、残っているのはフランスおよび数カ国(ノルウェー、スイスなど)のみだそうです。

資産税は水平的・垂直的公平の実現、および資産利用の効率化という利点がある一方、経済成長の抑制、徴税作業の困難性、費用の増大という負の側面も挙げられます。
ヨーロッパの多くの国で資産税が廃止された理由には、管理上の複雑さとその費用の増大があったようです。

資産税の対象となる資産は、持ち家などの不動産のみならず、車・家具などの動産、 現金・株式等の金融資産まで含まれます。
銀行口座の残高までもが課税の対象となってしまうわけです。
しかし毎年個人が財産を評価し、課税当局がそれを確認するのは大変な作業ですね。

なお、フランス国内に居住する人はフランス国内に所有する資産のみならず、国外に所有する資産も課税対象となります。
また、フランス国外に居住している人も、フランス国内に資産を所有している場合には課税対象となります。
税率は0.5%〜1.5%で累進課税となっています。

日本でも以前、このような資産税は存在していたそうですが、1953年に廃止されて以降、特に取り上げられるようなことはなかったようです。

フランスにおいても、この資産税については大きな議論が繰り広げられています。今後内容が改正、もしくは制度自体が廃止されて行く可能性もあります。
今後の動向にも注目したいと思います。

参照:
https://www.service-public.fr/particuliers/vosdroits/F563
http://leparticulier.lefigaro.fr/jcms/p1_1621670/le-bareme-de-l-isf-pour-2017
http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_9368693_po_077201.pdf?contentNo=1
http://www.kokubo-co.net/Pages/KB_kotsu_business_19.aspx

今月のパリの写真:冬時間になったパリ。
10月末より、夏時間が終わり、冬時間になりました。
これからパリもどんどん日が短くなってきます。

冬時間になったパリ。

【Miyoのプロフィール】
2005年公認会計士2次試験に合格後、某大手監査法人に就職。
2008年公認会計士登録。
2011年秋~2013年夏、フランス パリの大手監査法人へ出向し、現地の監査業務に従事。
2014年7月大手税理法人へ移籍し、国内税務申告と国際税務に携わる。
2014年秋フランス出向中に出会ったフランス人と結婚。
2016年2月より再び渡仏。モンパリ by Miyo としてパリから情報発信。
2017年4月より創新グループ公認会計士高良事務所の非常勤顧問に就任。

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