今月の言葉(7月)「自分との対話を大切に」
私が所属する税理士法人創新會計の顧問先であります有限会社ワイズコミュニケ-ションの代表で、
人材開発コンサルタントの菅原裕子氏が出版された「子どもの心のコ-チング」
(株式会社PHP研究所)という本に、
とても興味深いお話が載っています。
それは「ひび割れ壺」の物語といって、子育ての親に対してだけでなく、仕事人としても大変勇気づけられるものでした。
その「ひび割れ壺」の物語を要約してここにご紹介します。
――― インドのある水汲み人足は二つの壺を持っていました。
天秤棒の端にそれぞれの壺をさげ、水を運びます。その壺のひとつにはひびが入っています。
もう一つの完璧な壺が、小川からご主人様の家まで一滴の水もこぼさない自分に、いつも誇りを持っていました。
その本来の目的をいつも達成することができたからです。
ひび割れた壺は、いつも自分を恥じていました。
水をいっぱいに入れてくれても、ご主人様の家に着くころには、半分になっているのです。
2年が過ぎ、すっかり惨めになっていたひび割れ壺は、人足に話しかけました。
「私は、自分が恥ずかしい。あなたにすまないと思っている。」
「何故そんなふうに思うの? 何を恥じているの?」水汲み人足はたずねました。
「この2年間、私はこのひびのせいで、水が漏れてしまうから、ご主人様の家まで水を半分しか運べなかった。
あなたがどんなに努力しても、報われることはない。それが辛いんだ。」と壺は言いました。
水汲み人足は、ひび割れ壺を気の毒に思い、そして言いました。
「道端の花に気付いたかい? 花が君の側にしか咲いていないのに気づいたかい?僕は君からこぼれ落ちる水に気づいて、君が通る側に花の種をまいたんだ。そして君は僕たちが帰る時に水をまいてくれたんだ。この2年間、ご主人様の食卓に花を欠かした事がない。君が、あるがままの君じゃなかったら、ご主人様はこの美しさで家を飾ることは出来なかったんだよ。」 ――――
この物語を読んで、安心感のせいかホットため息をつきました。
私の中にも完璧らしき壺と、不完全なひび割れ壺があることを改めて気付かされたのです。
時として他人に完璧らしき壺をひけらかす自分、また上司に叱られ悲嘆にくれるひび割れ壺の自分が常に同居しているということを。またそれは自分だけでなく、誰にでもあるということも。
「完璧らしき壺」は自然にふるまうからこそ価値があり、「ひび割れ壺」はユニークで、考え方次第で何かを創造できる大きな力をもっているから価値があると思うのです。
自分の気持ちに素直になって、常に同居する二つの壺に話しかけ、真実の自分を発見したいものです。
また他人に対しても、その方のひび割れ壺に真の勇気を与えたいと思います。
(文責:掛巣由子)