今月の言葉

今月の言葉(12月)第173回 「内なる成功こそが、真の成功」

 現代社会における成功者を1人挙げてください、と聞かれたら誰と答えますか。
やはり、メディアで紹介されるような有名人、大企業の社長や創業者の名前を思い浮かべるのではないでしょうか。ロルフ・ドベリ著の「Think clearly」では、“成功の定義は時代の産物である”と述べています。現代社会において成功者と呼ばれるような人であっても、生まれた時代が異なればそのようには言われなかったかも知れません。極端な例ですが、太古の時代に成功者と呼ばれた人は、他の誰よりも多くマンモスの肉を集落に持ち帰った人だと想像できます。

 同書では、生まれた時代で社会的に評価される「成功」を追い求めるのではなく、「内なる成功」を目指すことを推奨しています。
「内なる成功」とは「心の充実や平穏さを手に入れること」であり、影響を及ぼせることだけに意識を集中させ、それ以外のことは一貫して意識から切り離しておくことが大事である、と述べています。

 これは哲学的な思考ですが、日常生活に落とし込んだ場合、仕事のオンオフと繋がるものと考えます。仕事のオフとされる休日は心のリフレッシュをはかり、オンの時は効率を意識して仕事に取り組むことと思います。
昨今の日本では働き方改革が話題となっていますが、これは効率的に仕事をするよう促し、生産性を向上させ、ひいては従業員のプライベートの時間を充実させることを目的とした制度と思います。長く働くことが美徳とされてきた日本には、時代に即した必要不可欠な制度なのかもしれません。ただニュースなどでは、業務の中身は変わらずに労働時間のみが短縮され、経営者や従業員の不満につながるといったケースも見受けられています。これでは心の充実とは程遠いものとなり、本末転倒と言わざるを得ません。従業員側の業務効率性を追求する最大限の努力と、会社側の仕組みや制度の構築が相まって初めて「改革」という命題が達成されるものと思います。

 このように私は仕事のオンオフと絡めながら「内なる成功」ついて考えてみましたが、この言葉は、皆さん自身が追い求めている幸せとは何かを、改めて考えるきっかけとなるかと思います。
最後に、同書で紹介されている一文を紹介したいと思います。
“死ぬときに墓地で一番裕福な人間になっているよりも、「内なる成功」に向けて努力して、いますぐに人生を充実させたほうがいい”

参考文献:ロルフ・ドベリ著「Think clearly」
(文責:野々上 淳)


  

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