モンパリ税務会計通信

第11回 商品・サービスによって異なる消費税率

Bonjour! こんにちは。モンパリの Miyoです。
昨年より、フランスの税務会計について情報発信させていただいています。

日常生活の中で、一番身近に感じられる税金の一つに「消費税」があります。
文字通り、消費に対して税金が課せられるので、一般消費者は、商品を購入した際に、消費税率分が加算された金額をお店に支払います。 レシートにも表示がされるので、現在の日本の8%という税率については、皆さんも当然ご存知でしょうし、それだけの税率分を負担しているという実感もあるのではないでしょうか。

さて、フランスでも、何か商品を購入した時やサービスを受けた時には、一般消費者は付加価値税(日本で「消費税」にあたるもの)を負担します。付加価値税はお店のレシート上に必ず表示されるため、一般消費者は自分が付加価値税を負担しているという実感を持っています。
そこで、フランスのお店でもらうレシートに注目してみると、とても面白いことがわかります。
それは、商品によって「税率が異なる」ということです。
日本では全ての商品・サービスに対して、一律8%の消費税が課されています。
しかし、フランスでは、商品によって税率が20%、10%、あるいは5.5%など、税率が異なる場合があるのです。
フランスへ旅行される方は、お店でもらうレシートに注目してみると、面白いかもしれませんね。

なぜ、このような状況が生じているのでしょうか。
それは、フランスでは国の政策によって「軽減税率制度」が採用されており、標準の付加価値税率(20%)とは別に、 いくつかの軽減税率(10%、5.5%、2.1%)が存在しているからです。

なお、標準税率とそれぞれの軽減税率を示すと下記の通りです。

1)標準税率:20%  … 大半の工業製品、加工製品および一般サービス
            (以下の軽減税率が適用されるもの以外全て)に適用
2)軽減税率:10%  … 食用を除く農水産品、住居の改築工事、レストラン等一部のサービスに適用
3)軽減税率:5.5%  … 食品、書籍、身体障害者用機器等に適用
4)特別税率:2.1%  … 一部の医薬品などに適用

標準の税率は20%という高い税率ですが、全ての商品やサービスに対してこの高い税率が課されてしまうと消費者の負担が大きくなるため、「日々の生活で必要なもの」等については、軽減された税率が設定されているのです。

このため、ある飲食店に行った際には、一つのレシート上で複数の税率が表示される場合があります。
例えば、店内での食事・サービス代については10%の軽減税率が適用され(ただし、アルコール飲料については20%の標準税率)、また、商品を持ち帰りした場合の食品については5.5%の軽減税率が適用されます。

一律の消費税率に慣れている日本にとっては、こうした状況はとても不思議で興味深く感じられるのではないでしょうか。

なお、世界的にみると、このような軽減税率制度が採用されているのはフランスだけではなく、ヨーロッパの多くの国でも採用されています。

これからの夏の時期、フランスをはじめヨーロッパへ旅行に行かれる方もいらっしゃるかと思います。付加価値税率が商品やサービスによって異なるということを知っていると、その国の税金制度が少しでも身近に感じられて面白いかもしれませんね。

参照サイト:
ジェトロHP https://www.jetro.go.jp/world/europe/fr/invest_04.html
仏政府HP  https://www.economie.gouv.fr/cedef/taux-tva-france-et-union-europeenne

今月のパリの写真「サンジェルマン・デ・プレ教会」
今月のパリの写真「サンジェルマン・デ・プレ教会」
左岸、サンジェルマン・デ・プレ地域の象徴とも言える、サンジェルマン・デ・プレ教会。パリ最古の教会の一つとしても知られています。 観光でも人気な地域で、夏は旅行者で賑わいます。



【Miyoのプロフィール】
2005年公認会計士2次試験に合格後、某大手監査法人に就職。
2008年公認会計士登録。
2011年秋~2013年夏、フランス パリの大手監査法人へ出向し、現地の監査業務に従事。
2014年7月大手税理法人へ移籍し、国内税務申告と国際税務に携わる。
2016年2月より再び渡仏。モンパリ by Miyo としてパリから情報発信。
2017年4月より創新グループ公認会計士高良事務所の非常勤顧問に就任。

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